溶けにくいチーズをなめらかに溶かす秘密の材料とは
プロセスチーズがなめらかに溶ける背景には、ある解決策が存在します。それはクエン酸ナトリウムです。
溶融塩としてもっとも良く知られているチーズの原料の一種であるクエン酸ナトリウムには、熟成が進んだ硬いチーズを溶かす作用があります。塩味と酸味を帯びた白い粉ですが、チーズに少量を加えてもその味は分かりません。
チーズがなめらかに溶けるのを妨げる硬い網目状のタンパク質は、カルシウムイオンの働きによって結合し合います。チーズに水と少量のクエン酸ナトリウムを加えて加熱すると、クエン酸ナトリウムがタンパク質の結合を助けるカルシウムの代役を務めます。
温められたチーズの中では、がっちりと結びついていたタンパク質同士が離れ、乳化剤として再び働き始めます。すると、脂肪と水分をは再び混じり合い、乳化が促進されます。
こうして溶かしたチーズは、チーズフォンデュやチーズソースにもってこいのなめらかさです。
ちなみに、トルティーヤに溶かしたチーズをかける「ナチョス」も最高の美味しさですが…
クエン酸ナトリウムの化学式は「Na3C6H5O7」(ナチョス)。なんという奇遇…!
チーズとクエン酸ナトリウムのただならぬ関係を暗示しているようですね。