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発掘史上初、エジプトとローマ文化の混交した「地下墓地」が発見される

2019.11.16 Saturday

地下墓地が見つかったサッカラ北部/Credit:Egypt Ministry of Antiquities
point
  • エジプト北部・サッカラで、エジプトとギリシア・ローマの両文化が混交した地下墓地が発見される
  • この地下墓地の建造年代は、古代エジプトがローマ帝国の支配下にあった紀元1〜2世紀ごろであると判明

金沢大学およびエジプト考古省は、5日、エジプト北部・サッカラにて、新たにカタコンベ(地下墓地)が発見されたと報告しました。

カタコンベの建造年代は紀元1〜2世紀頃と推定され、この時期は、エジプトがローマ帝国の支配下に置かれていた時期(紀元前30年〜紀元後641年)に当たります。

墓地内には、ギリシャ・ローマ文化由来の装飾品も見られ、考古学史の中では初となる、エジプト文化とギリシャ・ローマ文化の混交したカタコンベの発見となっています。

Credit:ja.wikipedia

約2000年ぶりに陽のもとへ

発見場所となるサッカラは、エジプト北部に位置する広大な古代の埋葬地で、かつての首都メンフィスのネクロポリス(巨大墓地)として機能していました。

サッカラには多くのピラミッドが建造されており、中でもエジプト第3王朝のジェセル王のピラミッドが有名です。

ジェセル王のピラミッド/Credit:ja.wikipedia

ただサッカラの面積は、7km×1.5kmと広い範囲におよび、考古学的な調査がなされてない場所もあります。今回のカタコンベは、まさにサッカラ北部の未調査地帯で発見されました。

カタコンベは、アーチ型の泥レンガ構造でできており、出入り口には階段が設けられています。奥に入ると、縦15m・横2mの細長い部屋がありました。

部屋の内部には、数多くの装飾品が見つかっており、古代エジプトで葬儀目的に使用された石碑やネコをかたどった2つの石像、陶器の人形や数体のミイラなども埋葬されていたようです。

ネコをかたどった石像/Credit:Egypt Ministry of Antiquities

他には、古代エジプトの神・セトやアヌビス、トトが彫刻された石版、高さ約58cmのイシスとアフロディーテの石像も見つかっています。イシスはエジプトの女神、アフロディーテはギリシア・ローマ神話の女神であり、ここに両文化の混交の証拠がうかがえます。

トト、セト、アヌビス/Credit:Egypt Ministry of Antiquities
女神をかたどった像/Credit:Egypt Ministry of Antiquities

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