彗星の爆発からわかること
彗星ウィルタネン彗星の核は直径が約1.2キロメートルと判明しています。今回の爆発は彗星の表面で起こり、直径およそ20メートルのクレーターを生み出して、100万キログラム近い物質を放出したと考えらています。
この放出された大量のダストを分析すれば、彗星の作る塵の尾を理解するために役立つと考えられています。
彗星の尾というと、大抵は彗星の後ろに延びる輝く尾をイメージする人が多いと思いますが、実際には彗星には2種類の尾が存在しています。
私たちが普段彗星の尾として認識している光の尾は、彗星が太陽に接近した際、太陽風に吹かれて発生する細かな塵とガスによるイオンの尾です。
しかし、彗星はこれとは別に砂や小石の様な大きいサイズの塵の尾を放出しています。こちらが本来の彗星の軌道に沿って延びる尾で、彗星が自らの質量を失う直接の原因です。
地球で時折観測される流星雨というのは、この彗星の残した塵の尾の軌跡に地球がぶつかった場合に発生しているものです。
こうした彗星の塵の尾の粒子のサイズなどを理解するのに、今回の爆発による物質の放出が役立つのです。
また、多くの彗星を観測することで、同じ様な爆発の様子を研究できれば、彗星がときおりおこす爆発の原因が何であるのか、また今回見られた複数の段階で爆発の閃光が強く輝く現象が、彗星にとってはありふれたものなのか、稀な出来事なのかも明らかにできるかもしれません。
TESSの調査には推定で50個近い彗星が映ると予想されています。ここから彗星に関する新たな発見がまだまだ見つかるかもしれません。