シクリッドの一風変わった交配とは?
魚の交配では基本的に哺乳類などが行う様な、性行為というものが伴いません。魚の交配は、雌がタマゴを生み、雄がそこへ精子をかけることで成立します。
なんてつまらないセ…と言いたくなってしまいますが、それが魚の交配です。魚に生まれなくてよかったですね。
シクリッドはこの交配においても、特に変わった行動をとります。雌はタマゴを生むとそれを口の中に含みます。そして雄の放った精子を選んで自分の口の中に吸い込み口内でタマゴを孵化させるのです。
こうした交配を行うので、雌が判断を誤ると、全然自分とは違う種類の相手と交配が成立してしまう可能性があるのです。
実験室で検証したところ、シクリッドは光の加減などで色がわかりにくい状況だと、間違った雄と交配することがわかりました。
シクリッドの多様性は特にここ100万年ほどの間に急速に起こったことがわかっており、これは新しくできた濁った湖でシクリッドが遺伝的適合性のある多くの異なる種と、交配したためではないかと考えられるのです。
雑種は異なる2つの遺伝子が含まれるため、ここから大きな多様性が発生する作用があるといいます。
これは生物の融合する機会のある新しい環境では、生物多様性が増加するということを示す良い例だと考えられます。
異種間でもお構いなしにいただいてしまう、そういうマインドが多様性を生むのかもしれないですね。