乳首は無いけどきちんとお乳で育てる
カモノハシは哺乳類に分類されているので、子どもにはお乳をあげて育てていきます。しかし驚くことに、カモノハシには乳首がありません。
乳首が無いなら、赤ちゃんはどうやってお乳を飲むのでしょうか?
カモノハシには乳首はありませんが、お腹の辺りに乳腺は存在しています。その乳腺から汗のように滲み出るお乳を舐めて、子どもたちは大きくなっていくのです。
先述した、卵を産む卵胎生で総排出腔を持つことや、乳首が無いことから、カモノハシは大昔からその姿が変わらない、かなり原始的な生き物であるとされています。
シーラカンスのような「生きた化石」と呼ばれる生き物の仲間ですね。
カモノハシがほとんど姿を変えず生きてこられた理由は、カモノハシが住んできたオーストラリアという環境が密接に関わっていると考えられています。
オーストラリアは大陸から切り離され、島として独自の生態系を築いてきました。コアラやカンガルーに代表されるオーストラリアの固有種がその最たる例でしょう。
またカモノハシは、水の中に適応したことによって、他の動物とあまり住処を争わないで済んだとも言われています。
独自の進化を遂げることで、そもそも生存競争に参加しない抜け道を見つけたのです。
島という外部から他の生物が入って来ない環境と、競争相手の少ない水の中に適応したことで、カモノハシは今日まで大きく姿を変えることなく安定して生き延びてきたとされています。