MD-K1は古細菌と真核生物の間の中間生物と言える
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発見されたMK-D1は古細菌と同じく、核やゴルジ体といった構造や、ミトコンドリアや葉緑体といった構造は持っていませんでした。
成長に酸素を必要とせず、アミノ酸を嫌気的に分解する能力をもっていました。
またMK-D1は多くの古細菌がそうであるように、共生する細菌をパートナーにしていました。
しかしMK-D1は、古細菌にはみられない特殊な細胞構造を持っていました。
MK-D1は細胞外部に触手のような長い突起構造を形成して、神経細胞のシナプス部分のように、小胞を放出することができました。
このような複雑な細胞構造は、真核生物だけにみられる特徴です。
またMK-D1には真核生物が運動を行うために持つ遺伝子(アクチンなど)をいくつか持っていました。
MK-D1は、まさに古細菌でもあり真核生物でもある生命なのです。
これらの事実から研究者は、MK-D1を「古細菌から分化して真核生物へと進化するまでの中間的な存在である」と結論づけました。