あのNASAが焼いたクッキー
実験は無重力下での利用を想定して開発された0Gオーブンが使われました。
わざわざ0G用のオーブンを設計しなければならない理由は、地上ならば自然と起きる熱の対流が無重力下では起こらないためです。
地上では熱い空気は上に上がり、冷たい空気は下に下ります。これによって空気の流れが生まれオーブン内の温度は最終的に均一に保たれます。
しかし、宇宙では上も下もないので熱した空気の対流がうまく起こりません。そのため円筒形の四方から均等に熱する仕組みの専用オーブンが開発されたのです。
また、クッキー自体も無重力によってふわふわと動き回ってしまうため、きちんと固定する仕組みが必要です。このオーブンでは、クッキーはポーチの中にパックされていて、オーブン内にしっかりと固定できるようになっています。
クッキーの生地は予め地球で作りパッケージしたものを冷凍保存して宇宙へ運んでいます。それを国際宇宙ステーションで実際に焼いてみたのです。