新しい放射線遮蔽材
新たな技術は、粉末状の酸化金属(錆)をポリマーに混合し、それを電子機器のコーティングとして利用するというものです。
通常の金属粉末と比較した場合、酸化金属粉末では遮蔽効果が低くなりますが、毒性が低く、電子機器と電磁干渉を引き起こす恐れがなくなります。
この金属酸化物粉末含有のコーティングは、従来のシールドボックスに匹敵する放射線遮蔽効果を提供することが確認されています。
低エネルギーならば、このコーティングはガンマ線による損傷をこれまでの300%、中性子線による損傷を225%減少させます。
しかも、コーティングならばこれまでのシールドボックスと異なりかさばりませんし、酸化物微粒子は非常に安価です。
これは宇宙用電子機器の重量とコストを削減するだけでなく、機器自体をコーティングすることで従来求めら得ていた宇宙ミッションでの放射線遮蔽の必要性を低減させる可能性もあります。
現在この技術は、様々な用途に向けて調整とテストを繰り返している最中で、研究者たちは技術開発を支援してくれる業界のパートナーを募集中とのこと。
単純な仕組みのようですが、そのおかげで安価で使いやすい技術が実現したとはすごいことですね。