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シュレーディンガーの猫の「フィルム化」に成功 (2/2)

2020.03.01 Sunday

前ページ観察と重ね合わせの崩壊

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シュレーディンガーの猫はどうやって「撮影」されたか

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立体のバーは重ね合わせの割合を示している。観測を繰り返すと重ね合わせの量が次第に低下するが、いつまでも重ね合わせが失われないものが5つ残った/Credit:PHYSICAL REVIEW LETTERS

近年になり研究者たちは、観測を行ってから重ね合わせの崩壊がはじまるまでに、僅かな時間的猶予があることに気づきました。

そこで猫の代わりに電界の中に閉じ込めたストロンチウムイオンの電子に対して、100万分の1秒という瞬時の観測を連続して実施。重ね合わせが崩壊するまでの短いロスタイムの間に、測定の影響下にある電子の動きを映画のフィルムのように連続して撮影し続けたのです。

結果、時間が進むにつれてストロンチウム内の電子の重ね合わせが徐々に失われていく様子の記録に成功しています。

シュレーディンガーの猫でいえば、猫の生きている状態と死んでいる状態の2つが同じ映画フィルムに収められたといったイメージでしょう。

またこの研究によって、重ね合わせには強度があり、瞬時の観測(弱い観測)では重ね合わせが失われないものがあることも分かっています。

これは、観察をやめると再び「猫の生と死が再び重ね合わさる」という状態に例えられるでしょう。

今回の結果を応用することで、様々な量子に対する理想的な観察強度を探し出し、重ね合わせの状態を維持したままの測定への一助となることが期待されます。

研究チームは今回の技術を利用して、ストロンチウムイオンを始めとしたイオンをビットに用いた量子演算機の研究もはじめているようです。

「量子のゆらぎ」によって真空中でも熱が伝わると判明

reference: sciencedaily / written by ナゾロジー編集部

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