世界に数多ある不思議スポットの中でも、南米北部・ベネズエラのカタトゥンボ川は特に有名です。
ここは世界一落雷の多い場所として知られており、別名「カタトゥンボの雷」と呼ばれています。
カタトゥンボ川がマラカイボ湖に注ぐ河口部の上空では、1年を通して200日以上が落雷日であり、1時間に最大3600本の稲妻が走るそうです。
落雷はなぜ起きる?
落雷の発生原因は、カリブ海から吹き込む風と大陸にそびえるアンデス山脈、そしてカタトゥンボ川周辺の地形にあると考えられます。
カタトゥンボ川がマラカイボ湖につながる河口部は、アンデス山脈に三方向を囲まれており、カリブ海から来る暖風を取り込みます。
吹き込んだ暖風はアンデス山脈にぶつかることで、電荷を帯び、雷雲をつくり始めます。
結果、河口部の上空5キロ地点に溜まった雷雲が天然のアーク放電を放つのです。
落雷は、夕暮れのおよそ1時間後から10時間以上にわたって発光しつづけます。
そのため、カタトゥンボ上空は、世界最大の「対流圏オゾン発生器」と言われています。
同地は、2014年に「世界で最も稲妻が多い場所」としてギネスレコードに登録されました。
カタトゥンボの雷は、ヨーロッパでも大航海時代から知られており、海賊たちが稲妻を灯台がわりに使っていたそうです。
そのため、「マラカイボの灯台」という名前も付いています。
稲妻が起きないことの方が珍しいため、2010年の1月に落雷が一時的に起きなくなった際、地元住民たちは逆に不安になったとか。
およそ6週間後に落雷が再開すると、住民たちは安心し、喜びに湧いたそうです。