一発屋で終わらないようにするには「初心者の創造性」を捨ててはならない
高評価を受けた奏者は、主に左脳と中央部の脳を活性化していることは、上に述べました。
しかし、高評価を受けた奏者の多くは熟練者であり、活性化している部分は主に左脳です。そのため高評価に左脳の活性が必要との結果は、ある意味では順当と言えます。
そこで研究者は図のように、熟練度をデータから除外した場合に、高評価を得るために活性化が必要な脳部位を算出しました。
熟練度が評価関数から除外されると、今度は一転して、図のように右脳の働きの重要性が圧倒的になりました。
このことは高評価を得るためには、創造の自動化による熟練を担当する左脳だけではなく、初心者としての右脳の創造性も重要であることを意味します。
「初心を忘れるな」とよく言われますが、今回、科学的にもそれが証明されました。十分に熟練化した創造性を維持しつつ、初心者の創造性(右脳の活性)を失わないことが、クリエーターとして長く生きるコツなのかもしれません。