1986年に発生したチェルノブイリの原発事故から、すでに30年以上が経過しました。
今では安全とされる場所も多くなりましたが、最近起きた森林火災が、この地域の放射線量を再び増大させていると米国AP通信などが報告しています。
調査の結果、通常より最大16倍も高い放射線が発生しているとのこと。
なぜこんな状況に陥ってしまったのでしょうか。
https://www.ctvnews.ca/world/ukraine-continues-to-battle-forest-fire-near-chernobyl-1.4883866
チェルノブイリの森林火災
現場は、原子力発電所から半径30kmのチェルノブイリ立ち入り禁止区域内にある村です。
この場所では今でも立ち入り制限がかかっています。
現在この地域は、短時間なら人が訪れても安全であるとされていますが、土壌、木や草などには放射性同位体が閉じ込められていて、火災などが起きた場合は再び大気中へ放出することになります。
火災中心付近で測定された放射線量は2.3μSv/h(毎時マイクロシーベルト)で、平時の値0.14μSv/hを大きく上回っています。
人間にとって安全の限界値と言われる放射線量は0.5μSv/h(日本では0.23μSv/h)なので、危険な数値といえます。
とはいっても、もちろんこれは火災現場近くで一時的に観測されたという話で、離れた場所まで危険の及ぶものではありません。この地区から100km離れたキエフ市では何も影響はないとのことです。