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用途不明だった謎の「古代ボール状石器」問題が解決か 「食糧難に備えるため」 (2/2)

2020.04.24 Friday

前ページホームには存在しない石が使われていた

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石の付着物から用途が判明

さて、問題は「何のために石が使われたのか」ということです。

研究チームは、29個のボール状石器の内、実際に使用された痕跡のある10個を入念に調べました。

すると、石器表面に、動物の骨に含まれる海綿骨やコラーゲン繊維、脂肪分などの付着物が見つかったのです。

これは明らかに、石器が骨を砕く道具として使われたことを示します。

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付着物が見られた/Credit: journals.plos

また研究チームは、同じ原料からレプリカをつくって、ボール状石器の有効性をテストしました。結果、骨を砕いて中の髄を取り出すことに成功しており、石器の有効性が証明されています。

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Credit: journals.plos
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Credit: journals.plos

研究主任のエラ・アサフ氏は「当時の狩猟・採集社会では、動物の骨髄が貴重な栄養源であったため、石器も重要な役割を果たしたでしょう」と話します。

また、本研究は「動物の骨髄が人類最古の缶詰フードだった」という同チームの先行研究にも繋がります。

ケセム洞窟では、髄の取り出された動物の骨が多数見つかっており、住人たちは食糧難に陥った際の保存食にしていました。

実験では、「骨内部の髄は9週間まで鮮度が保たれる」ことが実証されています。

そして、髄を取り出す際に使われたのが、このボール状石器だったのかもしれません。

研究の詳細は、4月9日付けで「PLOS One」に掲載されています。

40万年前、すでに人類は「缶詰フード」を食べていた?

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