国際コーヒー機構(ICO)によると、世界では1日に約14億杯のコーヒーが飲まれています。
「朝のコーヒーが欠かせない」という人も多いでしょう。
ですから、朝のコーヒーが脳に及ぼす影響について知っておくのは大切です。
コーヒーに含まれるカフェインの効果を知っておくなら、適切な「コーヒータイム」を見極めることもできますよ。
カフェインと脳の仕組み
コーヒーの主な覚醒物質であるカフェインは、体内で自然に生成される別の物質アデノシンと似た構造をもっています。
アデノシンは体が疲れた時に分泌され、アデノシン受容体と結合することで眠気を引き起こすのです。
しかし、似た構造であるカフェインもアデノシン受容体と結合可能。
つまり、カフェインを摂取することでアデノシンの結合を防ぎ、眠気を抑えることができるのです。
また、カフェインにはアドレナリンを構築する作用もあります。これにより、心拍数が増加します。
同時に、ドーパミンが体内に再吸収されるのを防ぎます。つまり、ドーパミンを脳内に長く残留させ、その効果(幸福感など)をより長続きさせることができるのです。
このドーパミンの余韻は、より多くのカフェインを欲するきっかけになります。
さて、脳は得られる脳内物質の量に適応するようになっています。つまり、多くのカフェインを摂取するなら、多くのアデノシン受容体が形成されるようになるのです。
アデノシン受容体が多いということは、「アデノシンを吸収する穴が多い」ということです。当然、眠気を抑えるためには、より多くの栓(カフェイン)が必要になってきます。
つまり、コーヒーを普段からたくさん飲む人が目を覚まし続けるためには、より多くのコーヒーが必要になるのです。