なぜ「半月型」なのかは不明
一方で、穴が必ず「半月型」である理由やそれが開花を早める理由は、まだ分かっていないとのことです。
同チームのマーク・メシャー氏は「レーザーなどを用いてまったく同じ穴を開けてみても、開花を早めることはできなかった」と話します。
そのため、マルハナバチは単に穴を開ける以外にも、何らかの策を講じているのかもしれません。
メシャー氏は「例えば、唾液に含まれる脂肪酸が、一部のイモムシに見られるのと同様に、開花反応を引き起こす可能性もある」と考えます。
一部の植物に、干ばつや病原菌にさらされることで通常よりも早く開花するケースは確認されているものの、昆虫の行動が開花を誘発するケースは今回が初めてです。
あるいは、植物の側にも原因があるかもしれません。マルハナバチに開けられた穴を認識して、開花反応を起こすシステムを発達させているとも考えられます。
もしかしたら半月型の穴は、マルハナバチから植物への「早く花を咲かせて」という秘密のメッセージなのかもしれません。
研究の詳細は、5月22日付けで「Journal Science」に掲載されました。