5月末、南米・ボリビアに住む3人の少年が、クロゴケグモに自らの手を咬まして病院送りになる事故が発生しました。
少年らは上から12歳、10歳、8歳の3人兄弟で、同国北部のチャヤンタ州に住んでいます。
3人でヤギを放牧している際、黒地のボディに砂時計型の真っ赤な模様が入ったクロゴケグモを見つけたといいます。
自らを咬ませた理由について少年らは、「スパイダーマンのような超能力が手に入ると思ったから」と話しました。
その後、少年らの体に異変はあったのでしょうか。
「スパイダーマンになれると思った」
ボリビア保健省の報告によると、少年らは、兄弟全員が咬まれるまでクロゴケグモを手に乗せ、細い棒で突っついて挑発したそうです。
少年らは「黒と赤の色を見てスパイダーマンを思い出した。咬まれると彼のような超能力が手に入ると思った」を話しています。
しかし、現実はそうはいきませんでした。
痛みに泣く兄弟らを母親が見つけ、近くの保健所に救急搬送。まもなく、全身の震えや発熱、筋肉の激しい痛みといった症状が出ています。薬を投与しても症状がまったく改善しないため、ボリビアの都市ラパスにある小児病院に移送されました。
その後、容体は安定して回復に向かい、事件発生から1週間後、3人とも無事退院しています。
もちろん、スパイダーマンの能力は手に入らずじまいです。
クロゴケグモはクモの中でも非常に危険な品種であり、北米に生息する種はガラガラヘビの15倍に及ぶ強力な毒を持っています。
その一方で、相手を咬むのは自己防衛のときだけで、挑発されない限りは咬もうとしません。
大人であれば致命傷には至らないそうですが、小さな子供や高齢者、健康に不安のある人だと、命を落とすリスクも上がります。
ボリビア保健省のヴィルジリオ・ピエトロ氏は「幼い子どもは、フィクションとノンフィクションとの区別がつかず、映画の内容も本当のことだと思ってしまいます。それが時として、このような事故に繋がるのです。親御さんには是非とも注意してもらいたい」と話しました。