長い孤独中に、いきなり友達と出会わせると苦痛が生じる
次に研究者は、長期の孤独が再開にストレスになるかを調べました。
ストレスの強さは、摘出した脳の後部隆起核と呼ばれる脳の区域の活性度で判断されます。
結果、通常の個体は孤独が長くなるほど、仲間との再会に強いストレスを感じていることがわかりました。
一方で、孤独癖の個体は孤独の時間が長くても、再開にストレスを感じていませんでした。
ただ孤独癖の個体は再開にストレスを感じないものの、日常生活のなかで仲間と過ごすことがストレスになるようです。
上の図では、通常の生活の中で他者と会う時のストレスを孤独癖個体と通常個体で比べたものになります。
どうやら孤独癖の個体は良くも悪くも孤独でいたほうが幸せなようです。
以上の結果から、会いたいと思う気持ちが強いほど、長期の孤独後の再開に苦痛が強くなる……という意外な結果が得られました。
研究者は、会いたい欲求が満たされないまま長い時間が経過すると、会いたいと願う脳の回路の負担が増えて焼き切れたような状態に陥り「会いたい気持ちそのもの」を脳がストレスと認識するようになったと考えました。
会いたい気持ちがストレスに変質すると、再開もストレス要因になります。
一方、孤独癖の個体はそもそも会いたい気持ちがないために、回路の負担が生じず、再開もストレスにはなりませんでした。