再開にかかるストレスは薬でなおせる
最後に研究者は、長期の孤独状態にある個体の再開時にかかるストレスを減らせないか検討しました。
結果、ブスピロンと呼ばれる不安を取り除く精神薬を投入することで、通常個体の再開時のストレスを減らすことができました。
脊椎動物の社会性は魚からヒトまで広く保存されており、共通の脳機能が元になっていると考えられています。
そのため長期間の隔離入院や引き籠り生活が、人間の脳機能にも影響を与え、対人関係の形成に高いハードルになる可能性があります。
もし余りにも出会いに苦痛を感じているのなら、治療を受けてみるのも一つの手です。
他人に会いたくないと思う気持ちは、会いたいと思う気持ちの裏返しでもあるからです。
研究内容はイギリス、ウォルフソン生物医学研究所のハンデ・トゥンバク氏らによってまとめられ、5月5日に学術雑誌「eLife」に掲載されました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7282805/
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