コインは「カロンの渡し賃」
口の中のコインについて、調査を行った考古学者のKatarzyna Oleszek氏は「カロンの渡し賃(Charon’s obol)と呼ばれる、キリスト教以前の埋葬の伝統から来ている」と指摘します。
カロンとは、ギリシア神話に登場する冥界の河ステュクスの渡し守のこと。この河は死者と生者の世界を分ける境界線であり、カロンは渡し賃の1オボロスで死者の霊魂を黄泉の国に送り届けました。
これを「カロンの渡し賃」と呼びます。
古代ギリシアでは、コインが鋳造され始めた紀元前5世紀頃から、死者の口に1オボロスを含ませて埋葬する習慣が始まったとされます。その後、カロンの渡し賃は、ローマ帝国やイベリア半島、次いでイギリス、ポーランドなどへと伝播していきました。
今回発見されたコインもその習慣に則ったもので間違いないでしょう。
一方で、墓地からは遺骨とコイン以外に何も出土していません。副葬品は言うまでもなく、棺の痕跡も見当たらないのです。
このことから、Oleszek氏は「当時のイェジョヴェは、非常に貧しい地域だったのかもしれない」と推測しています。
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