2018年10月31日にブラジルで観測された稲妻が、このたび、WMO(世界気象機関)によって「観測史上最長の稲妻」と認定されました。
その長さは、驚異の700km超え。これは東京から青森まで到達する長さです。
これまでの最長記録は、2007年6月20日にアメリカ・オクラホマ州で観測された321kmだったので、大幅に記録を更新したことになります。
世界最長時間も更新!
またWMOは同時に、2019年3月4日にアルゼンチンで観測された、16.73秒間光り続けた稲妻を「史上最長時間の稲妻」と認定しています。距離も十分に長く、ブラジルの稲妻と同様、数百キロほど伸び広がっていました。
以前の最長時間記録は、2012年8月30日にフランス南部で起こった7.74秒間の稲妻であり、こちらも大差をつけています。
こうした大規模な稲妻は「メガフラッシュ」と呼ばれ、「水平方向に広がり、長さ数百キロに達するもの」と定義されます。
これまでの稲妻観測では、地上ベースの観測器が使われており、記録できる稲妻の大きさに限界がありました。しかし、最近使われるようになった宇宙ベースの観測器により、メガフラッシュのような稲妻が記録できるようになっています。
WMOのランドール・セルベニー氏は「この他にもまだ、途方もない規模の稲妻が存在すると思われます。観測技術が向上するにつれて、そうした稲妻も容易に記録できるようになるでしょう」と話しました。
稲妻は時に人命を奪う危険な自然現象でもあります。
アメリカでは、落雷によって年間平均48人が死亡、数百人が負傷しています。1度の落雷で最も被害が大きかったのは、1975年にアフリカ南部・ジンバブエで起きた落雷で、21名が死亡しました。
稲妻は冬よりも夏に発生しやすく、それだけ被害を受けるリスクも高まります。これから夏本番を迎えますが、雷の日の外出には十分気をつけてください。
最新の科学技術やおもしろ実験、不思議な生き物を通して、みなさんにワクワクする気持ちを感じてもらいたいと思っています。
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