修正されたデータ
この超大質量ブラックホールは2018年初頭に発見が発表されましたが、その時点での質量は太陽の200億倍という推定でした。
しかし、今回の研究はその正確な質量やサイズを改めて調査し、太陽の340億倍という質量であったことを明らかにしました。
この質量は、天の川銀河の中心を支える大質量ブラックホール「いて座A*」の8000倍です。「いて座A*」がこのサイズまで成長するためには、銀河内の天体の3分の2を貪り食らう必要があります。
さらに、シュバルツシルト半径(事象の地平面の半径)は約670天文単位(AU)ということもわかりました。
天文単位は地球と太陽の距離を基準とした宇宙の距離単位で、太陽から冥王星までの距離は約39.5AUになります。
それを考慮すると、捕まったら光さえ逃れられない事象の地平面のサイズが半径670AUというのが、どれだけ途方もないサイズかイメージできるでしょう。
また、地球からの距離についても数千光年修正されました。これは全体の距離が約125億年離れているという事実から考えるとどうでも良さそうな修正に聞こえますが、わずかビックバンから12億年という初期宇宙の研究では、重要な修正なのです。