ブラックホールの食事
ブラックホールは吸い込んだ物質をすぐに飲み込むわけではなく、自身の周囲を取り巻く降着円盤という形で塵やガスを捕らえています。
これらは事象の地平面の内側へ落ちたとき、ブラックホールのエサとして消費されることになります。
今回の研究では、そんなブラックホールの成長の糧ともなる質量の食事量も調査されました。
その結果「J2157-3602」は1日なんと太陽1個分の質量を食い尽くしていることがわかったのです。
そんな勢いで食事をしていたら、太陽の何百億倍もブクブクと成長してしまうのもうなずけます。
しかし、ブラックホールの吸い込む力は、巨大になるほど増加することになります。やはり初期宇宙にこれほど巨大なブラックホールが存在する理由については、未だに未解明の問題です。
また、超大質量ブラックホールは他にも存在しています。
「Abell 85」銀河団の中心にある「Holmberg 15A」という銀河の中心ブラックホール「Holm 15A *」は太陽質量の太陽の400億倍といわれており、クエーサー「TON 618」の中心ブラックホールは太陽質量の660億倍と言われています。
超大質量ブラックホールはまだまだたくさんあるのです。
これらを理解するのはさらに困難だといいます。
ブラックホールの形成と成長には、まだまだ我々の理解が及ばない秘密が数多く潜んでいるようです。
この研究は、オーストラリア国立大学の天文学者Christopher Onken氏を筆頭とした研究チームより発表され、論文は英国の天文学の学術雑誌『王立天文学会月報』に6月30日付けで掲載されています。
https://doi.org/10.1093/mnras/staa1635
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