ヒトの脳を運ぶ豚
今回の研究成果により、移植に使える肺の数が3倍に増えると考えられます。
また実験に用いられた手順は豚に永続的な悪影響を与えないとのこと。
以前のブタから他のブタへの肺移植実験では、豚は麻酔から目覚め、装置に繋がれた状態ではあるものの、動き回ったり、おもちゃで遊んだり、エサを食べたりすることができました。
また今回の研究成果を脳に適応できれば、首から下に致命的な傷を負っても、脳を豚体内へ移植することで肉体の回復を待つ、といった治療法が可能になるかもしれません。
ただ技術が確立されても、宗教的な問題はどうなるかわかりません。
一部の宗教では豚を不浄としており、豚の体内で保存された肺を使うことや、豚体内に自分の臓器を入れることに抵抗があるかもしれないからです。
これらの問題を根本的に解決するには、やはり肺の維持・回復を行うとされる「ナゾの物質」を発見し、体外灌流(EVLP)システムに組み込むしかなさそうです。
研究内容はアメリカ、コロンビア大学のアーメド・E・ホーザイン氏らによってまとめられ、7月13日に学術雑誌「Nature medicine」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0971-8#Sec51
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