優れたがんの事前検出装置は「がん保険」の在りかたも変える
今回の研究により開発されたがんの事前検出システムには「PanSeer」との名前がつけられました。
現在「PanSeer」は胃・食道・結腸直腸・肺・肝臓の5種類の主要ながんの事前検出が可能です。
しかし現在のシステムでは、がんにかかることは予測できても、どのがんにかかるかまでは見極められないなどの限界も存在します。
研究チームは今後、検出できるがんの種類を増やすと共に、将来がんになる部位の特定もできるようにシステムを改良していくとのこと。
ただし、優れたシステムは社会に与える影響も大きくなります。
個人の医療情報保護が優先された場合「PanSeer」でコッソリがんになることを知った個人が「がん保険」で大儲けする悪用方法や、あるいは保険会社が「がん保険」の継続条件として毎年「PanSeer」での陰性結果を求めるといった、保険の意味を疑わせる契約もあり得るかもしれません。
しかしいずれにしても、がんで命を落とす人が劇的に減ることになるでしょう。
研究内容は中国、復旦大学のXingdong Chen氏らによってまとめられ、7月21日に学術雑誌「nature communications」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-17316-z
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