天文学か 快適な通信か
天体観測には、ハッブル宇宙望遠鏡をはじめ軌道上の観測機が利用されることもありますが、現在も多くの天体観測や天文学の研究には地上に建設された望遠鏡が利用されています。
これは数時間以上の長い露光時間をかけて遠い天体の画像を保存しています。
このとき、タイミングの悪いスターリンク衛星が夜空を横切れば、それで研究が台無しにされてしまう可能性があるのです。
スペースX社は、スターリンクの軌道パスデータを天文学者と共有することで、衛星が望遠鏡の範囲を通過するときカメラをオフにすることで、露光撮影をダメにする問題を解決しようと計画しています。
しかし、そんなことしてもらっても避けられない場合があるだろう、と天文学者は怒っています。
もちろん、こうした衛星計画はスペースX社だけが計画しているものではありません。Amazonを含め多くの企業が狙っている分野なのです。
こうした短いスパンで行き交う大量の衛星で地球が覆われれば、地上からの天文学研究は行き詰まってしまうことになるかもしれません。
何千年も続いてきた夜空の景色を守るのか、社会生活の利便性を取るのか、天文学にとって頭の痛い時代がやってくるようです。