文字に対するコード生成能力は霊長類で普遍的に保存されている
文字を読む訓練を受けていないサルであっても単語と疑似単語を区別するコードを生成できるという結果は、読書脳の起源を2500万年以上前まで遡らせることが可能になります。
このことは、文字を読む読書脳が人類誕生以前に既に原型があり、人類はその能力をホモサピエンスになってから獲得したのではなく、段階的・漸次的な進化の後に、先祖から継承したことを意味します。
また水平反射と垂直反射の分析から、継承の内容にはコード形式も含まれていたことがわかりました。
文字認識に使われる基本コード形式は、サルから引き継ぎ全ての人類が共有するものだったのです。
このことは、世界中に存在する全ての筆記システムが、基本的かつ単純な形を土台にして、繰り返しや若干の変形によりレパートリーを増やしている理由になると考えられます。
人類の脳はサルから大幅に進歩したようにみえても、神経活動パターン(コード生成能力)などの基礎的な部分までは変化していないのでしょう。
研究内容はMIT(マサチューセッツ工科大学)のリシ・ラジャリンガム氏らによってまとめられ、8月4日に学術雑誌「nature communications」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-17714-3