耳の迷走神経刺激は外国語の聞き取り能力を向上させる
これまでの研究により迷走神経の電気刺激が「てんかん」「うつ病」「炎症」などに様々な疾病に対して効果があることが明らかになってきています。
そこでピッツバーグ大学の研究者は耳に存在する迷走神経をイヤホン型の装置で電気刺激することで、学習効果の増大ができないかと考えました。
迷走神経は脊髄を介さず脳神経と直接接続されているため、中国語の発音にあわせて刺激することで、脳が中国語のリズムを無意識のうちに覚えると予想したのです。
実験にあたっては、中国語になじみのない英語を母国語にする人間を無差別に選出し、中国語の発音聞き取り学習をしてもらいました。
このとき、一方のグループは電気刺激アリで、もう一方は何も装置を使いませんでした。
なお電気刺激のレベルは、人間の知覚できる最低値を下回るものでした。
結果、電気刺激を行ったグループは何もしないグループに比べて音声聞き取りテストにおいて平均で13%~15%高い得点をとったほか、2倍の速さで学習のピークパフォーマンス(最大効率)に達したことが判明しました。