様々な学習促進プログラムが作成可能
以前に行われた他の研究において、迷走神経の刺激が脳内においてコリン作動性神経を活性化していることも報告されています。
以上の経緯から、研究者は、迷走神経の電気刺激が脳の広範にわたる神経伝達物質の分泌を促進し、結果として聴覚刺激への注意力を高めたのだと結論しました。
また電気刺激とは別に、テストでの高得点も好循環につながったと指摘しました。
100点満点のテストで15点以上、余分に獲得できれば、学生でなくともやる気が出てくるからです。
今回の研究で使われた電気刺激法は刺激のタイミングを変えることで、中国語以外の言語にも対応でき、汎用的な外国語学習のサポート器具として使用することが可能です。
またこの技術は身体を一切傷つけない非侵襲的な方法であるために、脳卒中後のリハビリテーションをはじめ様々な学習用途へと拡大することも可能になるようです。
研究チームは次のステップとして基礎となる神経メカニズムを解き明かし、各学習項目における最適な刺激パラメーターを模索していくと述べています。
実現すれば、電気ドーピングが可能となり、学習の個人差を最小化できるでしょう。
もしかしたら、未来の本屋さんの参考書売り場には、学習内容に合わせた電気刺激プログラムが本と一緒に売られているかもしれませんね。
研究内容はアメリカ、ピッツバーグ大学のフェルナンド・リャノス氏らによってまとめられ8月6日に学術雑誌「npj Science of Learning」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41539-020-0070-0