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金星の雲の下に、35年間気づかれなかった「巨大な波動」を観測 (2/2)

2020.08.09 Sunday

前ページ金星下層に潜む雲の不連続面

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謎の波動現象とスーパーローテーション

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Credit:(Javier Peralta/JAXA

「この大気破壊は、他の惑星では見られない新しい気象現象だ」と研究者Peralta氏はいいます。

この惑星規模の波動がなんであるのか、未だに明確な物理的解釈はまだなく謎に包まれています。

しかし、現時点で有力な説はこれがケルビン波ではないかという考えです。

ケルビン波とは大気重力波の1種で、赤道あたりで大きな振幅になり、大気の流れの下流へと伝わっていく特徴を持っています。

これは今回観測されている現象と一致するものです。

大気重力波については地球でも観測されたことがあり、去年、日本の気象衛星ひまわり8号も撮影に成功しています。(詳しくはこちらの記事を参照)

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左に向かって広がる波紋のようなものが大気重力波。/Credit:Andrew Miskelly/Twitter

こうした現象のもっと巨大で永続的なものが金星に存在するのかもしれません。

ケルビン波が存在すると、他の大気中の波と相互作用して、「スーパーローテーション」へ運動量を運んでいくと考えられるため、動力源について謎の多い金星の猛烈な風「スーパーローテーション」を維持するために重要な役割を果たしている可能性があります

なんにせよ、現在はまだ謎の波動現象です。これ以上の検証は今後の研究に委ねられることになります。

この研究は、JAXAの物理学者 Javier Peralta氏が率いる研究チームより発表され、地球惑星科学の学術専門誌『Geophysical Research Letters』に掲載されています。

A Long‐Lived Sharp Disruption on the Lower Clouds of Venus
https://doi.org/10.1029/2020GL087221

金星の謎の暴風は微生物が原因かもしれない

reference: JAXA/ written by KAIN

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