時間結晶は歯車・水晶・原子に続いて新しく時を刻む
今回の研究により、2つの時間結晶を相互作用させる基礎的な方法と、構成粒子の状態の測定方法が明らかになりました。
時間結晶は外部からの干渉があっても、構成する粒子の時間的な変動パターンが保たれることが知られており、時計に組み込むことで完璧な時刻を維持することが可能になるかもしれません。
現在の腕時計の多くは水晶振動子を用いたクオーツ時計ですが、時間結晶の完璧な振動周期は、水晶振動子を上回る精度を発揮できると考えられます。
また正確な振動パターンはジャイロスコープやGPSなど、既存の原子時計に依存するシステムの改善にもつながるでしょう。
歯車、水晶、原子と続いた時間の新たな一歩は、時間結晶によって刻まれるようになるかもしれませんね。
研究内容はフィンランド、アールト大学のS.Autti氏らによってまとめられ、8月17日に学術雑誌「Nature materials」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41563-020-0780-y