顔写真から心臓病を見つけるAI
特定の顔の特徴が心臓病のリスク増加と関連していることは既知の事実です。
例えばこの特徴には、薄毛または白髪、しわ、耳たぶのしわ、まぶた周辺の黄色沈着、角膜外縁の白い輪などが含まれます。しかしこうした特徴を人間がすべて把握・定量化し、心臓病リスク予測に役立てるのは難しいとされてきました。
そのため、ジャン氏ら研究チームは、AI学習によってそれらを可能にしようと考えたのです。
そして2017年7月から2019年3月までの間に、中国の8つの病院から5796人の患者データを集め、AIに心臓病との関連性を学習させました。
このデータにはデジタルカメラで撮影した4つの顔写真(正面1枚、横顔2枚、頭頂部1枚)と病歴・ライフスタイル・経済状況などが含まれます。
さらに学習後のAIによって、2019年4月から7月の間に登録された1013人の患者の顔写真に対して、診断テストが行なわれました。
そのテストの結果によると、80%の確率で陽性患者を「陽性」と正しく判断でき、61%の確率で陰性患者を「陰性」だと正しく検知できたとのこと。
これは「心臓病を発見しやすいものの、偽陽性率も比較的高い」ということになります。そのため、さらなる改善が必要だと言えるでしょう。