脳信号の解読という大きな壁
Neuralinkは豚に埋め込んだチップから神経信号を取り出すことに成功しました。これは、マスク氏の述べた「脳ハッキング計画」が近いことを意味しているのでしょうか?
もちろん、そうではありません。彼らには「脳信号を解読する」という大きな壁が立ち塞がっているからです。
ペンシルバニア大学コーディングラボのアリ・ベンジャミン氏も、「このテクノロジーの障害は人間の脳の複雑さにあるだろう」と語っています。
さらに、「いったん記録が得られると、Neuralinkはそれらを解読する必要があり、いつの日か、記録するニューロンの数に関係なく、脳のしくみについての基本的な理解の欠如という壁にぶつかるでしょう」とのこと。
Neuralinkの今回の発表は、確かに脳とコンピュータを繋ぐ1つの足掛かりとなりました。
しかし、マスク氏の目標が達成されるのは遥か先であり、おそらく私たちが想像するよりもずっと長い期間待たなければいけないでしょう。
ただしベンチャー企業の多くが、彼らのように少しずつ可能性の境界線を押し広げており、その積み重ねが将来の革新を引き起こすのかもしれません。