中国の魔鏡
中国の魔鏡 / 「中国の魔境」、裏面に彫られた模様/Credit: youtube
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2000年前の「中国の魔鏡」のナゾ、”反射した光に模様が浮かぶ”仕組みとは?

2020.09.20 Sunday

1000年以上にわたり、世界中の学者を混乱させ続けた不思議な鏡があります。

一見普通の手鏡に見えますが、鏡に光を当てて反射させると、裏面に彫られた模様が浮かび上がるのです。

専門家たちはこれを「中国の魔境(英: Chinese Magic Mirrors)」と呼び、その仕組みの解明に心血を注いできました。

古来中国に伝わる魔法の鏡は、一体どのような仕掛けが施されているのでしょうか。

amusingplanet https://www.amusingplanet.com/2020/09/chinese-magic-mirrors.html

仕組みを記した「解説本」は失われていた

中国の魔は、紀元前206〜紀元後24年まで続いた漢王朝の時代まで遡ります。

実は魔鏡の仕組みは、少なくとも8〜9世紀頃までは語り伝えられていました。800年代には、製造法や詳しい仕組みが記された本が存在したのですが、のちに紛失してしまいます。

それから200年が経った頃には、中国の知識人にとってもナゾの一品となっていました。

鏡
鏡 / 表面は普通の手鏡として使える/Credit: youtube

学者・政治家として活躍した沈括(しんかつ、1030〜1094年)は、中国の科学技術史で最重要の文献とされる『夢渓筆談』を書き、その中に魔鏡についての記録を残しています。

「鏡には、古代の筆記体で20の文字が記されている。鏡に光を照らすと、文字が鏡をすり抜けて壁に映し出される。壁に映された文字ははっきりと読むことできる。

私の家系で同様の鏡を3つ所有しているが、他の一族で家宝にされている鏡も見たことがある。どれも同じ光を通す鏡だ。しかし、その仕組みは皆目見当がつかない。古代人は、特別な技術を持っていたのだろう。」

「沈括」の肖像画
「沈括」の肖像画 / 「沈括」の肖像画 / Credit: ja.wikipedia

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