モアが絶滅した理由とは?
9〜10世紀頃、モアが暮らしていたニュージーランドに「マオリ族」が上陸しました。
モアの絶滅原因については長い間、専門家たちによる議論が続けられましたが、今ではマオリ族の乱獲が最有力となっています。
進化生物学者のトレバー・ワーシー教授は、次のように説明します。
「DNAを調べたところ、絶滅時期のモアは、種の存亡の危機には瀕しておらず、遺伝子的にもまったく衰えていませんでした。むしろ、頑強で健康な集団を形成していたのですが、人類と遭遇したことでモアは終わりを迎えたのです」
狩猟採集民であったマオリ族は、砂袋に小石をためるモアの習性を利用し、焼け石を呑ませることで捕獲していたそう。これだけ巨大なので、むやみには近づけなかったのでしょう。
また、森林の開拓により生息地が減ったことも絶滅の一因となりました。
結果、モアの数は急速に減少し、およそ700〜800年前にはニュージーランドから姿を消しています。
一方で、これだけ保存状態の良い足が見つかったなら、DNAを採取し、クローンを生み出すこともできるのではと思われています。
しかし、クローン化に成功しても、繁殖相手や遺伝的多様性に欠くため、すぐに絶滅してしまうでしょう。
ジャイアント・モアのクローン化による復活には、まだサンプルや環境の準備が不十分なようです。