貝形虫類の巨大精子の3D画像
貝形虫類の巨大精子の3D画像 / Credit:NIGPAS
paleontology

世界最古の「動物の巨大精子」が1億年前の琥珀から発見される!

2020.09.18 Friday

ミャンマーでおよそ1億年前の琥珀から貝形虫類の精子が発見されました

精子のような軟細胞のサンプルが発見されることは稀で、これまででもっとも古い精子のサンプルは1700年前のものでした。

今回の発見はそんな最古のサンプルの発見記録大幅に塗り替えるものです。

何より貝形虫類は体の10倍にも及ぶというとんでもなく巨大な精子を持つ種として知られていて、その特殊な進化の秘密に迫るためにも重要なサンプルになるといいます。

この研究は、中国科学院南京地質古生物研究所(通称: NIGPAS)とイギリス・ロンドン大学のクイーン・メアリー校の共同による国際研究チームより、9月16日付けで科学雑誌『Royal Society Proceedings B』に発表されました。

sciencealert https://www.sciencealert.com/oldest-ever-sample-of-animal-sperm-discovered-in-100-million-year-old-amber , Queen Mary University of London https://www.qmul.ac.uk/media/news/2020/hss/worlds-oldest-animal-sperm-found-in-myanmar-amber.html , 中国科学院 http://english.cas.cn/newsroom/research_news/earth/202009/t20200914_243048.shtml

世界最古の精子のサンプル

ミャンマーで発見された琥珀が保存していたのは、白亜紀の「Myanmarcypris hui」と呼ばれる甲殻類の群れです。

「Myanmarcypris hui」は甲殻類の中でも貝形虫類と呼ばれる種類のもので、これはミジンコのような外見をした小さな生き物です。

貝形虫類は約5億年前のオルドビス紀以降から存在していた種で、現代でもカイミジンコやウミホタルなどが、ほとんど姿を変えずに生き残っています

琥珀の中には、貝形虫の群れが39体含まれていて、中には交尾をした直後のメスの個体も確認されました

貝形虫類の後尾のイメージ画像
貝形虫類の後尾のイメージ画像 / 貝形虫類の後尾のイメージ画像。/Credit:NIGPAS

このサンプルをX線マイクロCTで分析したところ、これらの種の軟組織を含めた高解像度の3次元画像を得ることができたのです。

古代の生物の軟組織を含めたデータは非常に貴重です。そして何より、この後尾直後のメスからは精子まで見つかったのです。

次ページ体の10倍!? 巨大精子を持つ貝形虫類の謎

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