大量絶滅イベントからの回復と近代的な生態系の成立
噴火が収まると、気温が高いまま大量の降雨が収まり、地上は乾燥し始めました。
この環境から地球の生態系は新たな種へと引き継ぎが行われ、これまで小規模な存在だったグループの台頭が始まったのです。
代表的なものが恐竜です。恐竜はカーニアン湿潤化イベントの2000万年前から出現し始めていましたが、地上で影響力を持つ種ではありませんでした。
しかし、恐竜は大量絶滅とそこからの回復期に、地上を席巻するチャンスを得たのです。
このとき一気に勢力を伸ばしたのは、恐竜の他に、カメ、ワニ、トカゲ、また初期の哺乳類や、現代の植物群も含まれます。
また酸性化していた海洋では、炭酸カルシウムが石灰岩を熱く形成し、大規模なサンゴ礁や現代にも残るプランクトンたちが大量に発生し始めました。
まさに現代の私たちが見慣れた海はこのとき誕生したと考えられるのです。
これまで古生物学では地球の歴史で5つの大量絶滅を特定していましたが、それは大量絶滅と同時に、新しい生態系を誕生させるきっかけにもなっていました。
そして現代の生態系の起源になると考えられる新たな大量絶滅が、今発見されたのです。
この出来事についてはまだこれから詳細が明らかになっていくことが予想されますが、そこから急速な温暖化による地球の変化や、それに対する生態系の回復方法などを探ることができるでしょう。