地球に起きた変革「カーニアン湿潤化イベント」
恐竜が出現し始めた約2億3000万年前は、地質年代では後期三畳紀の初めにあたる時代で、カーニアンと呼ばれています。
この時期にはカーニアン湿潤化イベント(Carnian Pluvial Event: 以下、CPE)と呼ばれる地球規模の気候変動が発生して生物相に大きな変化が起こっていたと考えられています。
この出来事は1980年代に注目されましたが、その証拠となる地質はヨーロッパの一部地域に限定されていました。
その後の調査で、この時期にはアンモナイトの絶滅など海洋生物の大規模な入れ替えが起きていたと確認されていましたが、CPEとの関連については年代測定技術がまだ未熟だったこともあり、明らかではありませんでした。
しかし、中国地質大学、イギリス・ブリストル大学などの共同による研究チームが、この時期のすべての地質学や生物学的な証拠を検討して、何が起きたのかを明らかにしたのです。