水泡に帰した「ファンタジア作戦」
しかし最大の問題は、どうやって日本にキツネを送り込むかということでした。
その解決法として、米軍は、沿岸部でキツネを海に落とし、岸まで泳ぎ着かせるという方法を採用しました。ところが、キツネは無事に岸に泳ぎつけたものの蛍光塗料がすべて落ち、ただの濡れ狐になってしまったのです。
また、キツネがまったく訓練されていなかったため、日本の町に解き放たれたところで、目論見通りの行動は取れなかったでしょう。戦火の激しい町を避けて、山や森に引きこもったと思われます。
結局、ファンタジア作戦は、キツネに塗った蛍光塗料とともに水の泡となりました。
もし作戦が実行され、当時の日本人が光るキツネを見たらどんな反応をしたでしょう。
米軍の予想通りキツネを悪霊と見たかもしれませんし、反対に吉兆と見て士気を高めたかもしれませんね。