系外惑星を直接撮影する意味
「がか座β星」はまだ2300万歳と推定される非常に若い星で、星の周りには未だに塵の円盤が存在しています。
その周りを回る2つの惑星も誕生してまだ1850万年ほどと推定されていて、その内部は未だに熱く、恒星の光の反射ではなく自身の熱で輝いています。
通常主星に近い惑星は、眩しすぎて見ることができませんが、「がか座β星c」が自ら放つ輝きは現在の観測技術で十分に検出することは可能だと考えられました。
そしてイギリス・ケンブリッジ大学の天文学者マティアス・ノワク博士が率いる研究チームは、「がか座β星c」の位置を特定し、その直接撮影を行うことに成功したのです。
系外惑星を検出するにはいくつかの方法があります。1つはトランジット法と呼ばれるもので、主星と惑星が起こす食によって検出します。ここでは光を遮る程度によって、惑星のサイズや吸収されるスペクトルから、その組成などを推定することができます。
もう1つは視線速度法(ドップラー法)と呼ばれる惑星の重力の影響で、主星の位置がぐらつく度合いを検出するものです。この方法では惑星の詳細な質量を測定することができます。
では直接撮影にはどんなメリットがあるのでしょう? 直接撮影はその惑星を直接光で見ているということで、それ自体に魅力を感じますが、観測データとしての意義ももちろんあります。
それは惑星の固有の明るさを測定できるという点です。これは恒星からの反射の光とはことなり、惑星が形成時から保持している熱を測定できることを意味しています。