新たに見つかった系外惑星「がか座β星c」
今回観測されたのは地球から約63光年離れたがか座(画架座)β星系の惑星です。
ここには2008年に「がか座β星b」という惑星が直接撮影によって発見されています。これは木星の13倍(地球の3000倍以上)の質量を持った巨大ガス惑星でした。
このサイズの惑星は、主星に重力的な影響を与え、位置をぐらつかせます。そこでフランス・グルノーブル天文台の研究者アンヌ=マリー・ラグランジェ博士は、「がか座β星」が受けている重力的な影響を過去16年間の観測データから調査しました。
すると、そのデータからは「がか座β星b」以外の影響があることに気が付いたのです。そして昨年ラグランジェ博士の研究チームは、そこから新たな系外惑星「がか座β星c」を発見したと発表しました。
先に発見されていた兄弟惑星「がか座β星b」は、直接撮影に成功している数少ない系外惑星の1つです。これは「がか座β星c」も貴重な直接撮影が可能な系外惑星だと期待できます。
現在発見されている系外惑星は4300を超えますが、そのうち質量推定が可能なものは20%程度であり、直接撮影に成功したものは約1%しかありません。
こうして「がか座β星c」の直接撮影という研究が進められ、今回その直接撮影が実現したのです。
この観測には、ヨーロッパ南天天文台(通称: ESO)がチリに建設した超大型望遠鏡干渉計の第2世代観測機器「GRAVITY」が使用されました。