今回の研究を発表したディアス研究室の液体窒素で冷却された超伝導体の上に磁石が浮かんでいる様子の写真。これまではこの写真のように超電導には超低温環境が必要だった。
今回の研究を発表したディアス研究室の液体窒素で冷却された超伝導体の上に磁石が浮かんでいる様子の写真。これまではこの写真のように超電導には超低温環境が必要だった。 / Credit:University of Rochester photo / J. Adam Fenster
chemistry

ついに初めて”室温での超電導”を達成! 世の中を一変させるまであと一歩 (2/3)

2020.10.15 Thursday

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鍵を握るのは水素の化合物

固体の水素作成には、結晶化がしやすくなるようにさまざまな物質との化合物が試されています

以前発表された研究では、マックス・プランク化学研究所とイリノイ大学の研究グループが、ランタン水素化物というものを使用して-23℃での超電導に成功しました。

今回の研究を発表したロチェスター大学のディアス研究室は、最初イットリウム水素化物を使い約-10℃の超電導に成功しました。これには2600万psi(ポンド毎平方インチ)の圧力が必要でした。

ちなみに地球の海面での大気圧は約15psiなので、2600万psiは大気圧の約170万倍の圧力になります。

次に研究チームは炭素を使うことを思いつき、水素が豊富な共有結合を持った有機材料の調査を行ったのです。ここで試された「炭素質硫黄水素化物」が3900万psiの圧力(大気圧の260万倍)で、15℃の超電導を実現しました。

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