お化け屋敷は我儘な脳を満足させなければならない
今回のお化け屋敷を用いた研究においては、110人の参加者の多くが中程度の恐怖を楽しんでいることが示されました。
しかし、小脳扁桃が大きな恐怖と大きな快楽を生みだし、大脳が恐怖だけをあとから摘出してくれるという仕組みがある以上、より大きな恐怖こそ最高の快楽をうみだすはずです。
しかし、実験では強すぎる恐怖は楽しさを減少させました。
この事実は大脳による安全認識にも、限度や個人差があることを示唆します。
あまりに怖いお化けをみると、ヒトによっては大脳による恐怖の摘出が間に合わず、恐怖が残りすぎて十分に楽しめないのです。
またさっぱり怖くない場合では、そもそも小脳扁桃から恐怖とセットでうみだされる快感の絶対値も低いために、恐怖が大脳によって摘出されても、楽しみは感じません。
怖くて面白いお化け屋敷を作るためには、人間のワガママな脳を満足させる必要があるようです。