ハンセン病が人間特有ではないという証拠が増え続けている
今回の研究により、人間がハンセン病菌の主な貯蔵場所であるという長年の常識に、また一つ反証が確認されました。
ハンセン病が環境そのものに広く潜んでいる場合、この病原体が散発的に環境から出現する能力があることを示唆します。
また今回の研究はヒトからヒトがそうであるように、チンパンジー同士の間でもハンセン病の感染が起こりにくいことが示されています。
もしかしたらハンセン病菌にとって、ヒトやチンパンジーへの感染は「ついで」程度のものなのかもしれません。
宿主に恐ろしい症状をもたらす病原菌が、実は宿主に興味が薄いかもしれないという考えは、生命の複雑さを感じさせる気がしますね。