高圧酸素療法で老化プロセスの逆転を狙う
さて、細胞分裂の限界を決めているのがテロメアですから、このテロメアを伸長させる方法を確立するなら、細胞分裂の観点では「若返り」が可能になります。
科学者たちが様々な方法でテロメアを伸長させようとしている中、エフラティ氏らは高圧酸素療法でこれを実現しようとしたのです。
高圧酸素療法とは、通常の大気圧よりも高い気圧環境の中で酸素を吸入する療法です。
この療法により通常の約10倍にまで酸素を体内に取り込むことが可能であり、細胞機能の改善、組織修復の効果があるとされています。
研究チームは世界最大の高圧酸素治療センターであるShamir Medical Centerと協力して、ライフスタイル・食事・投薬の調整を受けていない64歳以上の健康な成人35人を対象とした高圧酸素治療実験を行ないました。
その実験では、各参加者が90日にわたって1日90分の高圧酸素治療を受けました。