ミールワームは発泡スチロールを食べ、分子レベルに分解できる
現代では、生分解性(微生物により分子レベルに分解できる)プラスチックが存在しています。しかし、世界中で分解できないプラスチックも数多く生産されています。特に発泡スチロールは非生分解性であり、環境への影響が懸念されてきました。
ところが2015年、ウー氏らの研究によってゴミムシダマシ科の幼虫であるミールワームが、非生分解性プラスチックと考えられてきたポリスチレンを分解できると報告。
発泡スチロールは気泡を含ませたポリスチレンですが、ミールワームたちはこれを腸内バクテリアによって分子レベルにまで分解することができるのです。
実際、研究室では100匹のミールワームが1日あたり34~39mgの発泡スチロールを食べ、他の食糧と同じようにその内の約半分を二酸化炭素に変換しました。
そして24時間以内に残りのプラスチックを分子レベルにまで分解し、糞として排出。しかもこの糞は作物の土壌として使用しても問題ないとのこと。
さらに発泡スチロールを与え続けたミールワームは、通常のエサを食べたときと同じくらい健康であるため、長期的にプラスチックを分解させることも可能でしょう。