北海道と本州をわける「ブラキストン線」ってなに?
その原因は、氷河時代の気候変動にあります。
地球の最終氷期は約7万〜1万年前までつづき、最も寒かった時期は2万年前でした。
すると海が凍ってしまって、海面が今より120メートルほど低くなったのです。
その結果、日本列島の様子も大きく変わりました。
北海道の真上に縦長のサハリン(樺太)があり、その左にユーラシア大陸があります。
海面が下がったので、地図上の「間宮海峡(水深10mほど)」と「宗谷海峡(水深45〜50m)」が陸化して、動物たちがユーラシア→サハリン→北海道と移動してきたのです。
ところが、北海道と青森をわける「津軽海峡」は水深が140mほどあって、陸としてつながらず、動物たちはわたることができませんでした。
こうして北海道と本州の生息動物が大きく異なるようになったのです。
ヒグマやナキウサギ、エゾシマリス、シマフクロウなどは北海道にしかおらず、ツキノワグマやニホンザル、ニホンリス、ライチョウ、ムササビなどは青森までしかいません。
これを1880年代に発見したイギリスの軍人で動物学者のトーマス・ブラキストンにちなみ、北海道と本州をわける分布境界を「ブラキストン線」と呼びます。