電子波の一部は障壁を通り抜ける
次に電子が障壁に向かっているとします。実際、波が障壁に当たると跳ね返ってくるでしょう。
しかし、波は完全に跳ね返るわけではありません。例えば光も波ですが、光は完全に反射されず、一部が通過していきます。
同じように電子波も一部が障壁をすり抜けていきます。
通過できるのは電子波の一部なので、波自体は小さくなるのですが、薄い壁であれば波が完全に消滅する前に反対側に到達できるのです。
ここで、改めて電子波の意味を思い起こしてみましょう。この波は「電子が見つかる確率」です。
つまり、障壁を電子波が通過するということは、障壁の向こうでも電子が見つかる可能性があるということです。これはつまり「電子が壁を通り抜けた」とも言えます。
この現象が量子トンネル効果であり、核融合やDNA変異において実際に生じています。
さて、以上がセガイ氏による量子トンネル効果の解説でした。
もちろん量子トンネル効果に関しては、これまでにも既に様々な手法で解説されてきました。
新しい発見があったわけではありません。
しかし、17歳の少女が複雑な題材を自分で理解し、身近な表現で解説できるという点は高い評価を受けるに値します。
彼女の今後に大きく期待できますね。