都市のビルディングを始め人工物は生物の重量を上回った。
都市のビルディングを始め人工物は生物の重量を上回った。 / Credit:canva
geoscience

2020年、世界の人工物の総重量が生物の重さを超えつつある!? 新しい地質年代の始まりか

2020.12.12 Saturday

現在、人類は凄まじい勢いでさまざまな人工物を製造し続けています。

12月9日に科学雑誌『nature』で発表された新しい研究では、2020年の年末までに製造される人工物の総重量は地球全体の生物の総重量を追い越すという推定を報告しています。

いずれ人工物の重量は、生物全体の重量を抜くと言われていましたが、2020年はその交差点となる記念の年になるようです。

>参照元はこちら(英文)

sciencealert https://www.sciencealert.com/the-amount-of-human-made-material-on-earth-has-just-crossed-a-shocking-lin BBC https://www.bbc.com/news/science-environment-55239668

人工物と自然生物の交差点

イスラエルのワイツマン科学研究所のチームは、1900年から現在までのすべての人工物の合計質量を計算し、地球上のすべての生物の重量(バイオマス)と比較しました。

ペットボトルからビルや道路を作るコンクリートまで、人類が生産する物質の重量は、1900年代初頭から20年ごとに倍増しています。

そして、森林など自然の中にある植物や生物の重量は減少傾向にあります。

そのため、ある時点で人工物と生物の重量は交差することになりますが、それがチームの推定によれば今年2020年になる可能性が高いのです。

年ごとの人工物(灰色)と生物(緑色)の総重量。縦軸が重量で単位はTt(テラトン)。
年ごとの人工物(灰色)と生物(緑色)の総重量。縦軸が重量で単位はTt(テラトン)。 / Credit:anthropomass

ここでいう生物の重量は、全生物の乾燥状態の重量を指します。

人工物の重量は岩や原油などの天然資源を、どの時点から製造品と見なすかの定義によって結果がばらついてきます。

しかし、現在人類は毎年30ギガトン(300億キログラム)の自然物を人工物へ変換して、本棚から高層マンションまで造り続けています。それを考えると、この定義による曖昧さはすぐに吹っ飛んでしまうでしょう。

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