人工物と自然生物の交差点
イスラエルのワイツマン科学研究所のチームは、1900年から現在までのすべての人工物の合計質量を計算し、地球上のすべての生物の重量(バイオマス)と比較しました。
ペットボトルからビルや道路を作るコンクリートまで、人類が生産する物質の重量は、1900年代初頭から20年ごとに倍増しています。
そして、森林など自然の中にある植物や生物の重量は減少傾向にあります。
そのため、ある時点で人工物と生物の重量は交差することになりますが、それがチームの推定によれば今年2020年になる可能性が高いのです。
ここでいう生物の重量は、全生物の乾燥状態の重量を指します。
人工物の重量は岩や原油などの天然資源を、どの時点から製造品と見なすかの定義によって結果がばらついてきます。
しかし、現在人類は毎年30ギガトン(300億キログラム)の自然物を人工物へ変換して、本棚から高層マンションまで造り続けています。それを考えると、この定義による曖昧さはすぐに吹っ飛んでしまうでしょう。