土が「洪水」を止める仕組み、相棒はミミズ?
言うまでもなく、土の完成には気の遠くなるような時間が必要です。
地球上の土の多くは、数千〜数万年、ときには数億年以上もかけて作られています。
しかし、苦労して作られた土の中は、生命の宝庫です。
わずか1グラムの土に、真菌が1000個、細菌や古細菌が1億個、ウイルスにいたっては1000万個もいます。
そんな土の世界で重要な役割を担うのが「ミミズ」と「森林」です。
ミミズと樹木の根っこには、土の粒を固めて、団子状にする働きがあります。こうしてできるのが「団粒構造」です。
団粒構造が豊かな土は、すき間に水を貯められるので、大雨が降っても水は地面にしみ込み、土の中に保持されます。
ところが、森林を伐採しすぎたり、そのせいでミミズがいなくなると、太陽の強い日差しで土が固まり、団粒構造が崩壊。
大雨が降ると地面に水がしみ込まず、地表を流れ、一気に川に流れ込んでいきます。
そのため、ミミズや森林がなくなると、洪水が発生しやすくなるのです。
コンクリートやアスファルトはその最たる例でしょう。
今や世界の土は、土地開発や環境破壊により、猛スピードで失われつつあります。
土は私たちの食べ物の95%以上を作り、地球の大気に欠かせない森林を育んでいます。
今こそ、土の大切さを考え直すべき時なのかもしれません。