暴力ゲームに対するプレイの傾向と成長後の影響
この調査では、10代の若者が暴力的なゲームをプレイする際、3つの傾向があったといいます。
グループ1は、人生の早い段階から長時間に渡ってプレイしましたが、歳を取るにつれて急激にプレイ時間は減少しました。
グループ2は、10代の期間に中程度のプレイを続け、成人するとプレイ時間がわずかに増加しました。
グループ3は、最大のグループとなり、子供の頃はほとんどプレイしていませんでしたが、歳をとるにつれてプレイ時間を増やしていきました。
子どもの頃、非常にゲームに熱中していたグループが、成長するとプレイ時間を減少させる傾向は、保護者の介入があった可能性があります。
なんにせよ、これらのグループで成人期の攻撃性について比較を行ったところ、子どもの頃にGTAに熱中した子どもたちと、子ども時代にほとんどGTAを遊ばなかった子どもたちの間には、有意な差がみつかりませんでした。
この研究で調査対象となった子どもの中には、わずか13歳でGTAを何時間もプレイしている子もいました。しかし、10年後、攻撃性に他の子どもとの有意な差は見つけられていません。
この研究結果からは、成長の初期段階に暴力的なビデオゲームをプレイすることは、後の人生における攻撃性の予測にはつながらないということが示唆されています。
ただあらゆる研究にいえることですが、得られる結果には制限があります。
今回の研究データは自己申告によるアンケート調査を基本としています。ここにはある程度の偏りが生じている可能性があり、攻撃性やゲームプレイ時間の正確な値は示せていないかもしれません。
しかし、長期に渡り非常に多くの参加者を用いた今回の調査は、これらのタイプの研究としては実行可能なもっとも信頼性のある方法の1つです。
この結果を無視して、暴力ゲームの悪影響を問題にすることは今後難しくなるでしょう。